子供の矯正1:奥歯《第一大臼歯・(6歳臼歯)》の位置

矯正の専門医が子供の歯並びを診るとき、まず最初に診るのが第一大臼歯の位置です。これは矯正専門医にとって基本中の基本であり、一般歯科の歯科医と差が出るところです。前歯に凸凹、出っ歯、受け口などがあるとどうしてもそちらに注意がいってしまい奥歯の方に目が行かないという事態になりがちですが、実は奥歯の位置関係の方がより重要なのです。奥歯の位置関係とは、上の第一大臼歯と下の第一大臼歯がどのような位置関係で咬み合っているかということです。正常な咬み合わせは上の第一大臼歯に対して下の第一大臼歯が三分の一歯分ほど前にずれて咬んでいます。これを1級関係と言います。

大きくタイプ別に分けると

① 1級:上下の第一大臼歯の位置が正常な状態

② 2級:上の第一大臼歯が前に来すぎているか、下の第一大臼歯が後ろに来すぎている場合。

③ 3級:下の第一大臼歯が前に来すぎているか、上の第一大臼歯が後ろに来すぎている場合。となります。

この他に、例えば右側は1級で左側が2級というふうに左右非対称である場合もあります。

上の歯を1番から6番までの番号をつけた人、下の歯を1番から6番までの番号をつけたイスにたとえると、

1級は 6番の人が6番のイスにすわった状態

2級は 6番の人が5番のイスにすわった状態

3級は 5番の人が6番のイスにすわった状態

となります。ここで例えば2級のように6番の人が5番のイスにすわり1番、2番の人が1番、2番のイスにすわると、3,4,5番の3人には、3,4番の二つをイスしか残っていないのですわりきれずに、デコボコ状態になります。このように上下の第一大臼歯の位置関係が重要である理由は、上下の第一大臼歯関係が正常出ない場合、将来全ての永久歯が生えそろった場合に必ずなんらのかの不正咬合になるからです。

上下の第一大臼歯の咬み合う位置関係を直す治療法はいろいろありますが例えば 2級の例では、上の第一大臼歯が前に来すぎている場合はヘッドギアーを用いて前に来すぎている第一大臼歯を後ろに移動させます。また下のの第一大臼歯が後ろに来すぎている場合(これは下顎の劣成長による場合がほとんどです。)は下顎の前方への成長を誘導する装置を使って下顎の成長を促進させます。いずれにせよ、子供の矯正治療では前歯の状態だけにとらわれることなく、上下の第一大臼歯の位置関係を調べることが最優先になります。子供の矯正だからと言って軽く考えることなく、子供の歯並びこそ矯正専門の歯科医院で調べてもらうことが重要です。