子供の矯正2 上顎骨の前方成長

上顎骨の前方成長が問題となるケースは、上顎骨が成長しすぎる場合と上顎骨の成長がよくない場合、すなわち

(1)上顎骨の 過成長 による上顎前突(出っ歯)

(2)上顎骨の 劣成長 による切端咬合または下顎前突(反対咬合・受け口)

の二つがあります。(1)の上顎骨の過成長は欧米人と比較して日本人では多くありません。程度がそれほど大きくなければ、顎外固定装置を用いて上顎骨の成長抑制と同時に上顎の歯を全て後ろに移動させて下顎の歯ときちんと咬むようにしますが、程度が大きければ外科矯正の適用になります。

(2)の上顎骨の劣成長による切端咬合、反対咬合はしばしば見かける不正咬合です。顔の中央部、鼻翼の横付近に陥凹感を呈する顔貌になります。治療には上顎前方牽引装置を用いて上顎骨全体の前方成長を誘導します。このタイプの反対咬合では上顎の前歯が、下顎の前歯との接触を求めて大きく前方に傾いている場合が多いのですが、その場合は単純な前歯だけの反対咬合の治療のように上顎の前歯を前方に傾ける治療は禁忌となります。残念ながら子供の反対咬合に対して同じようなワンパターンの治療を行う矯正専門でない歯科医も存在します。子供の矯正こそ専門の矯正医の診断が必要である理由はこんな点にもあるわけです。

2018.09.25

荒井矯正歯科クリニックでは24時間ネットにて予約していただけるようにしております。また、無料カウンセリングなどお聞きされたいことがございましたら診療時間内にお電話下さい。火曜日・水曜日も受付のみ対応しております。

子供の矯正1:奥歯《第一大臼歯・(6歳臼歯)》の位置

矯正の専門医が子供の歯並びを診るとき、まず最初に診るのが第一大臼歯の位置です。これは矯正専門医にとって基本中の基本であり、一般歯科の歯科医と差が出るところです。前歯に凸凹、出っ歯、受け口などがあるとどうしてもそちらに注意がいってしまい奥歯の方に目が行かないという事態になりがちですが、実は奥歯の位置関係の方がより重要なのです。奥歯の位置関係とは、上の第一大臼歯と下の第一大臼歯がどのような位置関係で咬み合っているかということです。正常な咬み合わせは上の第一大臼歯に対して下の第一大臼歯が三分の一歯分ほど前にずれて咬んでいます。これを1級関係と言います。

大きくタイプ別に分けると

① 1級:上下の第一大臼歯の位置が正常な状態

② 2級:上の第一大臼歯が前に来すぎているか、下の第一大臼歯が後ろに来すぎている場合。

③ 3級:下の第一大臼歯が前に来すぎているか、上の第一大臼歯が後ろに来すぎている場合。となります。

この他に、例えば右側は1級で左側が2級というふうに左右非対称である場合もあります。

上の歯を1番から6番までの番号をつけた人、下の歯を1番から6番までの番号をつけたイスにたとえると、

1級は 6番の人が6番のイスにすわった状態

2級は 6番の人が5番のイスにすわった状態

3級は 5番の人が6番のイスにすわった状態

となります。ここで例えば2級のように6番の人が5番のイスにすわり1番、2番の人が1番、2番のイスにすわると、3,4,5番の3人には、3,4番の二つをイスしか残っていないのですわりきれずに、デコボコ状態になります。このように上下の第一大臼歯の位置関係が重要である理由は、上下の第一大臼歯関係が正常出ない場合、将来全ての永久歯が生えそろった場合に必ずなんらのかの不正咬合になるからです。

上下の第一大臼歯の咬み合う位置関係を直す治療法はいろいろありますが例えば 2級の例では、上の第一大臼歯が前に来すぎている場合はヘッドギアーを用いて前に来すぎている第一大臼歯を後ろに移動させます。また下のの第一大臼歯が後ろに来すぎている場合(これは下顎の劣成長による場合がほとんどです。)は下顎の前方への成長を誘導する装置を使って下顎の成長を促進させます。いずれにせよ、子供の矯正治療では前歯の状態だけにとらわれることなく、上下の第一大臼歯の位置関係を調べることが最優先になります。子供の矯正だからと言って軽く考えることなく、子供の歯並びこそ矯正専門の歯科医院で調べてもらうことが重要です。

 

 

器具の自動洗浄機

一昔前までは器具の洗浄はスタッフが手洗いをしている医院がほとんどでした。現在は器具の洗浄機を導入している医院が増えています。私の医院でも器具の洗浄は自動洗浄機を導入して、仕事の効率化・省力化を図っています。開業前から器具の洗浄のような単純作業にスタッフの労力を費やしたくないと考えていたからです。器具の自動洗浄機を導入するメリットは、仕事の効率化・省力化だけではありません。歯科治療に使用する器具には尖ったものが多く、手洗いの場合はうっかりすると手や指を刺してしまって院内感染の原因になる場合があります。従って器具の自動洗浄によって院内感染の危険を予防することができます。また手洗いでは人為的ミスにより洗い残しが生じる可能性が常にありますが器具の自動洗浄機の導入によって洗い残しを無くすこともできます。特に私の医院では、患者さんに使った器具は全て完全に滅菌するので患者さんが多い日は大量の器具の洗浄が必要になります。スタッフが大量の器具を時間に追われて急いで手洗いしていては、洗い残しののリスクや、手指を傷つけて院内感染を起こすリスクが高まります。

1.省力化・効率化

2.院内感染の防止

3.人為的ミスによる洗い残しの防止

この三つを実現するためには器具の自動洗浄機は不可欠なものなのです。

 

土足か、上履きか

歯科医院には院内に土足で入れる医院と、入り口で靴を脱ぎスリッパに履き替える医院があります。私の知る限り、矯正専門の歯科医院は比較的土足が多いようです。私も開業前から院内は土足にすることに決めていました。患者さんが医院に備えられているスリッパを使うことを嫌って、自分で上履きを持ってきていた例を何度も見てから、患者さんの立場に立った場合、上履き(スリッパ)は決して衛生的なものではないと思っていたからです。

歯科医院によってはスリッパを殺菌灯のある棚に並べて、不衛生でないことをアピールしている場合もありますが、殺菌灯はそれほど効果的なものではありません。やはり患者さんにとっては自分の靴をはいている方が衛生面で安心でしょう。上履き(スリッパ)を使用するのは専ら医院サイドの都合である場合が多いと思われます。すなわち土足によって床を汚したくないということでしょう。しかし私が見学して回った歯科医院に関する限り、土足にしている医院はどこも床がピカピカに磨かれていて上履き(スリッパ)を使っている医院よりよほど清潔感がある医院ばかりでした。土足にしている医院は床の清掃がおろそかにできないので、かえって清潔な状態が保たれているようです。私の医院は土足である上に、床の色は白なのでなおさら床の清掃は欠かせませんん。幸いなことにスタッフ一同、白い床の清潔感が気に入っていて常に清掃に気を使ってピカピカにしてくれています。だから入り口から院内に入るとき 「土足でいいのですか?」と気を遣ってくれる人がしばしばいるくらいです。荒井矯正歯科クリニックを訪れる方々は、白く輝く床に遠慮することなくどうぞ土足で入ってきてください。

 

 

開業するにあたって

開業するにあたって、三つの基本的なことの同時達成を目指すことにしました。

1.技術

2.人間関係

3.衛生

の三つです。

どれも当たり前のことに思われるかも知れませんが、上記の3つが同時に達成できている歯科医院は意外と少ないようです。ある医院は技術の追求には熱心だが、衛生や人間関係は失格であったり、また別の医院は、院長の人柄がよく、人間関係は良好だが、技術がお粗末であるという具合です。

私が開業前に矯正の仕事をしていた某歯科医院でも、新しい道具の導入には熱心ですが、エプロンやタオルは交換せずに使い回し、歯を削るハンドピースもアルコール簡単に拭くだけで交換せずに使い回しているという極めて不衛生な状態でした。私が開業するにあたって、私が治療していた矯正の患者さんは全て私の医院に移転しました。私の医院では衛生(滅菌)を重視し、歯科医院としては導入するのが初めてというトルネックスという装置をはじめ、各種の洗浄、滅菌装置を導入し、使った器具は完全に滅菌し、決して不完全な消毒だけで器具の使い回すようなことはないので患者さんには安心していただけると自負しています。

また技術面では医院の専用ラボを設け、各種工作機械を導入しましたので、これまで以上に精度の高い装置が作成できるようになりました。スタッフは長年私のアシストをやってくれていたベテランのスタッフが私の開業合わせて先の医院を退職し、私の医院ではチーフスタッフとして他のスタッフをよく先導してくれています。現在は、開業間もないので時間的にも余裕が有り、先にあげた3つの目標は十分に達成できていますが、これから患者さんの人数が増え、時間に余裕がなくなった状況でもしっかりと基本路線を踏襲していきたいと思っています。